Kumagusuku

岩泉慧 個展 What it is I know not… – なにごとのおはしますかは知らねども –

展覧会概要

“なにごとの おはしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる”
西行が伊勢神宮に参詣した際に詠んだとして知られるこの歌は東洋の自然観、宗教観を表す代表的な歌とされ、なにもないがそこに佇む“気配”や“存在”に対して人々はそれを“神”として畏敬の念をはらってきました。その存在を東洋の美術ではアニミズム思想の元に花鳥風月や山水等に託して表現してきました。

本展覧会では冒頭の西行の歌を着想を得て、目には見えないが確かにそこに在る“気配”とされるを存在を、現代において同じように普段目には見えないがあらゆるものに内包されてる“情報”や“データ”と同一の事象として捉え、気候データを用いて自然神の象徴としても扱われる山水として表出させています。
作品は2019-2021年の京都の太陽と月の運行、温度、湿度、大気圧の日々の情報によって形成された仮想の景色です。これらはその地の気候の持つ記憶であると同時にこれから形成されていく未来の山水の片鱗、はたまた胡蝶の夢なのかもしれません。
その先になにごとの おはしますかは知らねども…

岩泉慧 個展
What it is I know not…
– なにごとの おはしますかは知らねども –

2021年 4月21日(水)-5月2日(日)
開廊:11:00-17:00 /休廊日:月曜日、火曜日
会場:kumagusuku
助成:公益財団法人 吉野石膏美術振興財団

作家プロフィール
岩泉 慧
美術家、京都芸術大学 日本画コース専任講師、PIGMENT TOKYO元館長。
2015年に絵画表現における膠の使用方法の論文で博士号を取得。京都芸術大学や画材メーカーにて膠を基点とした様々な画材の研究、指導を行いながら、作家としても画材研究で培われた知識を取り入れ、物質存在に関する事象をコンセプトに据え、作家活動を行っている。