濡れた地蔵PROJECT / “Photo session 2021”
【会期】
2021年12月10-12、17-19日
11:00 - 17:00
【会場】
kumagusuku SAS
〒602-8126 京都市上京区中書町685-2
https://kumagusuku.info/sas
◉文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業
◉開催コンセプト
「濡れた地蔵PROJECT」は、美術家として活動する土居大記と町田藻映子によって構成された、コラボレーションによる作品制作を行うアートユニットです。
土居は主に写真とインスタレーション作品を、町田は絵画作品を、それぞれ個人活動に於いて制作しています。昨年は東京・秋葉原にある古民家、海老原商店にて1回目の展覧会を開催しました。
(開催記録. https://note.com/nurejizouproject/n/n6d72f0e61902)
今回の企画展では、町田の絵画作品を被写体に、土居が様々な自然環境下で撮影を行った、写真作品シリーズを中心に展示構成します。昨年から続くこのシリーズを今回新たにブラッシュアップさせました。
4月末に京都で作品の撮影を実施。コロナ以降ずっと、リモートのみでコラボレーション制作を行ってきましたが、今回は初めて2人で同じ場所に足を運んでの制作作業となりました。
絵画は、置かれた場所、時間、光の種類が違えば、全く違う光り方になる。しかしこれらの絵画作品は、特に屋外での常設などには耐えないものであるため、多様な環境下で鑑賞する機会はほとんどありえません。通常はギャラリーや美術館での照明や窓からの自然光での鑑賞となる。でもこれらの絵画はもっと色々な表情を持っているはず、ということを出発点にこのワークは始まりました。
土居にとって、二次元の絵画を二次元の「写真作品」にするという試みは、物理的にも形而上的にも新鮮な挑戦です。それも、他者の作品が被写体となります。撮影時は光や周りの環境にどう配置するか、その絵が匂い立つ気配を感じ取りながら作業を進めました。またレタッチ作業の段階での葛藤もありました。これは決して、作者の町田が元より考える“一番その絵画らしく見えるレタッチ”をすれば良い、という作業ではありませんでした。
町田にとっても、作者としてこう見せたいという欲はありながらも、最終的な決断はあくまでも土居に託すという距離感は、撮影の全てを土居に委ねていたリモート制作の状態とは、大きく異なるものでした。自分の作品から、どのように違う作品が生み出されるのか。それらを間近で見ることとなり、普段自分が作品とどう向き合っているのか、また作品と自分自身との関係性を改めて考えるきっかけとなりました。
「作品」とは何なのか、それと向き合う時の自分の決め手は何処にあるのか。結果的に、2人にとってはそれを模索する為のエクササイズのようなワークとなりました。
◉作家プロフィール
土居大記 (Hiroki Doi)
学生時建築を学び、卒業設計を機にアーティストになる。”美しいは生ものである”という考えから制作している。自然現象を素材としてインスタレーションやパフォーマンスを行っている。常にまわりで起り続けている小さな変化を抽出して振り付けることが作品の主軸にある。それらの空間では気づくことが連鎖する。即興である。ダンサーとの共同制作も行っており、自身も制作の過程で身体表現のメソッドなどを経験している。主な表現媒体はインスタレーション、パフォーマンス、写真、詩、製本。 HP https://www.hirokidoi.com/
町田藻映子(Moeko Machida)
京都市立芸術大学大学院修了。「生命とは何か、人間とは何か」を主題に、岩石やそれに関わりの深い生物・人の文化に焦点を当てて絵画制作を行う。かねてより、身体を通した主題へのアプローチを重視し、コンテンポラリーダンスと舞踏を学ぶ。「京都府新鋭選抜展2021」(京都文化博物館、2021年)、「ART OSAKA WALL by APCA」(大阪、2020年)出品。個展「寡黙なシグナル」(GALLERY b. TOKYO(東京)2021 年)、個展「生きる者たちを想う為」(GALLERY TOMO(京都)2019年)、「MoekoMachida Solo Show」(Marsiglione Art Gallery(イタリア)2017 年)等を開催。「シェル美術賞展2018」( 東京) 入選。HP https://www.moekomachida.com
◉「濡れた地蔵PROJECT」HP2020年から続く制作の過程や展示情報をnoteに掲載しています。
https://note.com/nurejizouproject