田中 菜摘 個展「目は口ほどにものを言う」
目は口と同じくらい気持ちを表す。その眼差しが、視線の向きが、瞳の光が寡黙にして雄弁に語る。
今回の展示は〝眼差し〟をテーマに生き物たちを描きました。作品の中の彼らの眼差しを見つめる。その眼差しから感情を感じたり過去を想像してみたり。そして最後には作品を越えて己の心を見つめてほしい。
己の一番近くに在る自分。そんな自分をわたしは一番見えない。或いは見ることを忘れてしまう。
近い故に見失う。しかしそんな自分を私たちは誰よりも見る必要があると思う。
己と見つめ合い、心の声に耳を傾けることで初めて自分を知る。それは当たり前のことのようだが、
日常生活で人の意見に流されてしまったり、世間体を気にしたり、気づかぬうちに自分の本当の気持ちを見ないフリをしていることは少なくない。見ないフリはやがて本来見えていたものを見えなくしてしまう。
今日この時間だけは他者の着飾った陳腐な言葉などを介さない、己の眼差しだけが語る静かででも確かな会話を交わし、其々が己の在るべき姿を見つけられますように。
2023.11.1 wed – 11.12 sun
11:00-17:00 (土.日-18;00)
田中菜摘@tsunt_suntsun
2000年京都府生まれ。嵯峨美術大学染織・テキスタイル学科卒。