Kumagusuku

劇団速度公演《墓を放棄する部屋》

 

《墓を放棄する部屋》

 

劇団速度に所属する3名のアーティストと、3名の宿泊者による作品を発表いたします。

 

瀬戸沙門 武内もも 野村眞人

菊池希実 城間典子 狭間要一

 

誰にとっても故郷たりえない箱。個人や生活に対して、曖昧な関係しか持ちえない部屋。根ざすもののない部屋。その曖昧な空間に漂泊し、経過していったものを眺める時間。

 

瀬戸沙門と野村眞人はこれまで、劇場でない場所で、人とものの関係を、空間から問い直す作品を発表して来ました。(『珈琲店』2016,『蛍光灯の修辞学』2017)

陶芸を専門とする武内ももは、陶芸の制作工程や、作品における作者や受容者といった関係性をパフォーマンスとしてとらえ直した作品を制作して来ました。(『含みのある土のアサインメント』2018,『気づいたら寝てたと起きて思う』2018)

この3人を中心に、今回はゲストハウスを会場として作品を制作いたします。

会場となるのはゲストハウス、Kyoto Art Hostel kumagusukuです。

Kumagusukuは宿泊施設でありながら、美術作品の展示が行われたり、アートスペースが併設されていたりする、オルタナティヴな空間です。

この空間と、人の生活を仕切る箱をテーマにした武内の陶芸作品、そして4名の宿泊するパフォーマーとの協働によって作品が生み出されます。

本作は、人ではなく、人が動かしたもの空間に焦点を当てたパフォーマンス作品です。

 

日時

2019年2月2日(土) 14:00~/19:00~

2019年2月3日(日) 13:00~/18:00~

開演の20分前までにお越しください。上演に際してのご案内をいたします。

また、作品の性質上、各回の観客数を限定しての上演となります。何卒ご了承ください。

 チケット料金

一律 1,800円

 チケット予約

予約サイト https://www.quartet-online.net/ticket/graves

主催 劇団速度

助成 京都府文化力チャレンジ補助事業

 

 

プロフィール

 劇団速度

2016年結成。京都を拠点とし、演劇、ダンスなどの舞台芸術分野と、陶芸、アニメーションなどの美術分野のアーティストが所属している。様々な表現メディアを有するコレクティヴでありつつ、劇団という集団形式を採用している。多分野のアーティストとの密な協働により、言葉や身体、観客といった演劇的制度を別のかたちで上演するため、そして上演することでしか成立しない表現を生みだすために活動している。異なる芸術領域が接触することで揺らぐ、「演劇とは何か」を問い続ける態度が特徴的。

瀬戸沙門

1994年生まれ。京都造形芸術大学  舞台芸術学科卒業。大学から演劇を始める。「体への物理的な負荷」という共通項をもとに、俳優やダンサーとして舞台に出演し、また自らもダンス作品の制作を行っている。劇団速度には旗揚げ公演「珈琲店」に参加し、2018年から所属。

主な出演歴:維新派「アマハラ」(2016) / 踊りに行くぜⅡ vol.7 山下残 振付作品「左京区民族舞踊」(2017) / 劇団速度「蛍光灯の修辞学」(2017) / off-nibroll 「春夏秋冬」(2018)  / など。

武内もも

京都精華大学陶芸コース在籍中。作品のモチーフは、人とその生活の痕跡。舞台美術の提供や陶芸作品を軸に据えたパフォーマンスの演出・出演など、陶芸とそれにまつわる身体・言葉との関係性に関心を持ち、作品を制作している。

主な作品に、胎内での記憶を題材に、骨伝導の技術を応用し陶器を直接振動させ音を出す『resound』(2016)、眠りの身体を「存在の他者への委任」として捉え、象ることで陶芸における「眺める」行為を強調、再構築した『寝ている人』(2017)を主軸に据えたパフォーマンス『気づいたら寝てたと起きて思う』(2018)、陶芸制作における非コントロール性を拡大させた体験型作品『含みのある土のアサインメント』(2018)など。

野村眞人

京都大学文学部美学美術史学科在籍中。演出家。あるメディアをべつのメディアにずらすための制度を演劇だと考え、作品を制作している。こまばアゴラ演出家コンクール・最終審査選出、利賀演劇人コンクール2018・観客賞、優秀演出家賞受賞。

主な演出作品に『破壊的なブルー』(2016),『蛍光灯の修辞学』(2017),『冒した者』(2018)など。また、村川拓也、庭劇団ペニノなどの作品に俳優として参加するなどしている。